今回は、私が読んで大きな気づきを得た一冊――甲田光雄著『腸をキレイにする!』(日経ヘルス)をご紹介します。
本書は、現代人が抱える多くの不調(便秘、肥満、疲労感、アレルギーなど)を“腸の汚れ”という視点から見直し、食と生活の改善で健康を取り戻す方法を丁寧に解説した健康実用書です。
◆ 腸が健康の要!「宿便」の正体とは?
多くの人が「宿便」と聞くと、腸にこびりついた古い便のイメージを持つかもしれません。ですが甲田先生は、こう説明しています。
「宿便とは、『胃腸の処理能力を超えて食べたために、腸内で停滞する内容物のこと』です。高速道路が渋滞して、流れが悪くなった車みたいなもんです。」
つまり、腸内の“渋滞”が宿便の正体。こびりついたヘドロではなく、食べ過ぎによって腸の処理が追いつかなくなっている状態なのです。
この考え方を知ったとき、私は腸の不調に対するイメージがガラッと変わりました。
つまり、「掃除する」よりも「流れをよくする」ことが大事。食べる量やタイミングを整えることで、腸は本来の働きを取り戻すのだと気づかされました。
◆ 天地の法則:「出してから入れる」が自然の流れ
甲田氏の食事法の核となるのが、「朝食を抜く半日断食」です。ですが、これもただの我慢ではなく、自然の摂理にかなった方法だという説明に、私は深く納得しました。
「天地の法則は入れるよりも出す方が先です。電車でもエレベーターでも、皆そうでしょ。まず中に入っているものが外に出て、それから外で待っているものが中に入るというのが順序です。」
この“当たり前”の視点が、腸にも当てはまるのです。
つまり、まず体から不要なものを出してから、新しい栄養を入れるのが理にかなっている。朝は排泄の時間帯ですから、断食によってその流れを後押しするというわけです。
「午前中に断食して老廃物をまず完全に出して、それから食べる(入れる)という食パターンが、天地の法則にかなった食べ方であるはずです。」
この考え方は、頭ではなく“感覚”でストンと腑に落ちました。
◆ いきなり断食はNG!1年かけて慣らすのがコツ
とはいえ、「じゃあ今日から朝食抜きだ!」と意気込んではいけません。甲田氏はその危険性もはっきり警告しています。
「いきなり朝食抜きとか急激なことをしてはいけません。間違いなく失敗します。」
そうではなく、以下のような段階的アプローチが紹介されています:
- まずは3食食べながら、間食・夜食を減らす
- 夜食を完全にやめる
- 間食もなくす
- 次に夕食の量を腹七分に抑える
- その後にようやく、朝食を徐々に減らす
「ここまでいくのにだいたい1年かけます。それからです、朝食を抜くのは。この方法だったら、絶対失敗しまへん。」
このように、焦らずじっくり進める姿勢こそが、体を壊さず健康習慣を根づかせるコツなんですね。私もまず、夜食をやめるところから始めました。
◆ こんな人におすすめ!
- 便秘や疲労感に悩んでいる方
- 自然療法や少食に関心がある方
- 食費を抑えながら健康的な生活をしたい方
- 無理なく少食に移行したい初心者の方
◆ まとめ:健康は“引き算”から始まる
甲田光雄氏の『腸をキレイにする!』は、ただの食事法の本ではありません。
それは、「自分の体の声を聞き、自然と調和する生活を取り戻す」ための哲学書でもあります。
「もっと食べよう」ではなく、
「いま、本当に必要なものだけをいただこう」
という引き算の視点が、現代人にとって大きなヒントになるはずです。
気になった方は、ぜひ一度読んでみてください。あなたの食生活、そして体との向き合い方がきっと変わりますよ。
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