毎日を少し丁寧に過ごしたい。
そんなとき、ふと「正座」をしてみると、自然と背筋が伸びて、呼吸が深くなるのを感じます。
とはいえ、正座だけを続けるのはつらい…という方も多いはず。実は、無理に正座を習慣にしなくても、「姿勢を整える時間」を生活に取り入れることはできます。
この記事では、私自身が実践している「食事のときに正座をする」という習慣を紹介しながら、日常生活の中で自然に姿勢を整える方法について考えてみたいと思います。
◆ 正座の基本的なやり方
正座は日本の伝統的な座り方ですが、実際の手順を知っておくとより安心して取り組めます。以下のポイントを押さえて、正しく座りましょう。
- 両膝を立てて床に膝をつく
最初に両膝を揃えて立てるようにし、腰を少し後ろに引きながら体を支えます。 - 両足の親指を重ねる
膝をついた状態から、両足の親指を重ねておきます。これにより両足が安定します。 - 踵(かかと)を外側に開く
親指を重ねたまま、踵を外側に向けて開きます。 - お尻を足裏の座布団に落とすイメージ
足裏の上にお尻がすっぽり収まるイメージで座ります。骨盤を立て、背筋を伸ばして姿勢を整えましょう。

骨格模型で見る正座の形。坐骨がしっかりと足の間に収まり、骨盤が安定しているのがわかります。

以上が基本的な正座のやり方です。はじめは少し窮屈に感じるかもしれませんが、足首や膝の柔軟性を少しずつ高めるイメージで行ってみてください。
◆ 正座の良さとは?
正座は、日本の伝統的な座り方のひとつで、膝を折り、足の上にまっすぐ座る姿勢です。畳の上に座る生活の中で生まれた文化ですが、現代でもその効果には注目する価値があります。
● 背筋が自然に伸びる
正座をすると骨盤が自然と立ち、背中がまっすぐになります。椅子にだらんと座るのとは違って、身体が自分でバランスを取ろうとする姿勢になるのです。
● 呼吸が深くなる
姿勢が整うことで、胸が開き、呼吸が自然に深くなる感覚があります。これは、気持ちを落ち着けたいときにも効果的です。
● 食事が丁寧になる
私は日常的に「正座で食事」をしていますが、これがとてもいいんです。姿勢が整うことで、自然と食事に集中でき、味覚も鋭くなるように感じます。背筋を伸ばしてごはんを食べると、不思議と「いただきます」の気持ちも深まります。
◆ でも、正座だけするのはしんどい…
正直に言うと、正座だけを目的にすると、なかなか長続きしません。足がしびれたり、膝に負担がかかったりして「健康に良いはずが逆にツライ…」となることも。
そこで私が実践しているのが、「ついで正座」です。
◆ 「ついで正座」のすすめ
正座を生活に無理なく取り入れるコツは、何かの動作とセットにすること。
たとえばこんなふうに:
- 食事をするときは正座(短時間なので無理がない)
- お茶やコーヒーを一杯飲むときだけ正座してみる
- スマホをちょっと見るとき、床に座って正座してみる
- 瞑想や深呼吸の時間を正座で
こうした「ついで」の時間に少しだけ正座をすることで、姿勢や呼吸をリセットする習慣になります。
◆ 椅子でも姿勢を意識すればOK
もちろん、椅子の生活でもまったく問題ありません。大切なのは「正座という形」ではなく、姿勢を整える意識です。
- 骨盤を立てて座る
- 背もたれに頼りすぎない
- 足を組まずに座る
このように、椅子でも正座と同じような姿勢を意識することで、身体と心の整う時間を作ることができます。
◆ まとめ:形にこだわらず、心地よく整える
正座を毎日がんばろうとする必要はありません。
でも、1日のどこかに「姿勢を整える時間」をつくることは、暮らしに落ち着きと丁寧さをもたらしてくれます。
形にこだわらず、「食事のときだけ」「お茶のときだけ」などのゆるやかな習慣として、正座や姿勢を整える時間を取り入れてみてはいかがでしょうか。
あなたの暮らしにも、静かで心地よい時間が増えるかもしれません。
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