車を運転していたある日、急にトイレに行きたくなって、近くの小さな公園に立ち寄った。
ただそれだけの用事だったのに、思いがけず、心に残る出会いがあった。
ふと、公園の中を歩いていると、どこからともなく甘くて重たいような、なんともいえないいい香りが漂ってきた。
立ち止まって辺りを見回すと、白い花がいくつか咲いているのが目に入った。
その花に顔を近づけてみると、やっぱりそこから香っている。なんの花だろう?
スマホでパシャリと写真を撮って、帰宅後にGoogleレンズで調べてみることにした。

名前は「クチナシ」だった。
クチナシという名前は聞いたことがあったけど、こんな花だったなんて知らなかったし、こんなにいい香りがするとも思っていなかった。
さらに調べてみると、英語では「ガーデニア(Gardenia)」と呼ばれ、香水の原料としても使われるほど、世界的にも香りが評価されている花なのだそうだ。
その香りの記憶と一緒に、ひとつ新しいことを知ることができて、なんだかとても気分がよかった。
トイレを借りに立ち寄っただけの公園で、香りに癒され、知識欲も満たされるという、ちょっとした幸運。
日常のなかに、こうした「いい偶然」がひっそりと待っていてくれることを、あらためて実感した。
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