「過去は変えられるけど未来は変えられない」という話

よく「過去は変えられないけど、未来は変えられる」と言われますよね。
もちろん、過去に起きた「事実」そのものは変えられません。ですが、「過去の意味」は、今この瞬間の私たちの心で変えることができるのです。

たとえば、ある出来事を「最悪だった」と思い続けるのも一つの見方ですし、「あの経験があったからこそ今がある」と捉えるのも一つの見方です。
どちらを選ぶかによって、その後の人生の流れは大きく変わってきます。

つまり、過去の意味付けを変えることで、“実質的に”過去を変えることができるとも言えるのではないでしょうか。

そしてもうひとつ。
「未来は変えられる」とも言いますが、私は時に「未来は過去の積み重ねの上にある」とも感じます。
もし過去に対してネガティブな意味付けを続けていると、未来もそれに引っ張られて、希望が持てないままになることがあるからです。

だからこそ、過去に良い意味を与えることは、明るい未来を育てることにもつながります。
これは単なるポジティブ思考とは違って、「自分で自分の人生の物語を紡ぎ直す」力だと思うのです。

過去に起きたことが変わらなくても、そこから生まれる意味が変われば、人生はやり直せます。
そう考えると、「過去は変えられるけど未来は変えられない」という一見逆説的な言葉にも、深い真実があるように思えてきます。